税務調査ってどこまで調べるの?パソコンやメールまで?

2021-07-16

こんにちは!

元国税調査官の福元です。
今日はパソコン調査の実態と注意点などをご紹介します。

突然ですが皆さん、税務調査で調べられるのは帳簿書類だけだと思っていませんか?
ですが税務調査でパソコンの中まで確認するのは決して珍しくはありません。

むしろ社会のペーパーレス化の流れに対応するため、ICT調査は近年重点的に行われています。

皆さんの中には、そもそもパソコンの中まで確認することが認められるのか?
と疑問をお持ちの方もいるかもしれませんね。

実は、調査官は帳簿以外も調査に必要であるものは調べることが認められています。
パソコンのような書類以外のものであっても「内容を表示して見せてください」、
「プリントアウトしてください」と依頼することができるのです。

ではどうしてもパソコンの中を見られたくない場合、断ることはできないのでしょうか?

通常の税務調査の場合、調査官からの依頼事項は義務ではないため、断ることも可能です。

私も実際に断られることがありました。

断り文句としては、「プライベートなものが含まれているから見せたくない
」と言われることが多かったです。

ここでさらに粘るか、引き下がるかは調査官によって対応が分かれるところではありますが
ほぼ全ての調査官が会社に対し不信感を抱くのは間違いないと思います。

調査官としてもパソコン内にプライベートなものが含まれている可能性は理解できます。
ですから事業に関係しているものだけを見せてもらえればいいのですが
全く見せることができないと言われてしまうと…。

「そうか、会社にとって不都合な資料はパソコン内にあるのか。

さて、どうやってそれを調査しようかな?」と考え始めてしまうのです。

積極的にパソコンを見せる必要はありませんが
調査官の求めに応じてパソコンを見せた方が無難でしょう。

ここでポイントとなるのが、「調査官の求めに応じて」という部分です。

つまり、調査官にパソコンを渡して自由に操作させる必要はありません。

調査官に「パソコンを確認させてください」と言われたら
会社の方がパソコンを操作して必要なデータを画面上に表示すれば大丈夫です。

では具体的にパソコンで何を調べられるのでしょうか?

調査官がよく確認するのは、「ごみ箱」、「最近使ったファイル」、「メール」などです。
上記のようなデータの中から問題の端緒が発見されることが多いため
パソコンを調査する時の必須確認事項といえます。

あとは「売掛管理表」や「在庫管理表」など、
普段からパソコン上で管理しているデータがあれば、
その内容について説明を求められる可能性があります。

ここで一つ注意してほしいことがあります。

仮に税務調査が入ることになってからパソコン内を整理してデータを削除したとしても
調査日直前にデータを消した履歴が残ってしまいます。
これはかえって怪しまれることになるので、お勧めしません。

そのため会社を経営されている方には、パソコン内のデータ、メールなども
税務調査では確認されるという認識を普段から持っておいていただきたいのです。

それでは最後に本日のまとめです。
パソコン調査のために知っておいたほうがいいこととは?

・断ることもできるが、かえって怪しまれる可能性がある
・会社の方がパソコンを操作する
・必要最小限のデータを画面上に表示する

以上になります。

いざという時は本日紹介したことに注意して対応してください。

さらに普段からデータを整理しておけば、調査対策はばっちりです!
調査が決まってから慌てずに済むよう、今一度パソコン内を見直してみましょう。

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