社長の個人名義クレジットカードで法人の経費を払っても大丈夫なの?

2021-07-02

皆さん、こんにちは。元国税調査官の福元です。

経営者の中には、個人名義のクレジットカードで法人の経費を支払っている方もいますよね。

便利で何かとメリットも多いクレジットカードですが
税務調査のときに何か言われてしまわないだろうかと不安に思ったことはありませんか?

今回はクレジットカードについて税務調査でよく問題になる点と
税法上必ず守らなければならない重要な条件をご紹介します。

まず最初にお伝えしておきますと、社長の個人名義カードを使っていても
それだけでいきなり追加で税金が発生することはありません。

ただし税務調査対策として、1枚事業用のカードを用意して
プライベートなものと完全に分けてしまうことをおすすめします。

なぜなら社長の個人名義のカードで経費を支払っていると、税務調査のときに
「事業に関係のない支払いが経費に含まれているのでは?」と疑われてしまうからです。

調査官としては、帳簿書類の中に社長名義のものが紛れていると
「なんで?内容はなんだろう?」とふと目に留まるのです。

一旦調査官に疑われてしまうと、社長のカードで支払い経費として
計上されているものの全てが本当に事業に関係していることを納得させる必要があります。

もしその件数が多い場合、調査日数が長引くこともあり得ます。

無用な疑いを招き調査を長引かせないためにも、事業用のカードと
プライベートなものはやはり分けておいた方がいいでしょう。

また事業用カードを用意することで、普段の経理業務を行うときに
プライベートな支払いを除く手間が省けるというメリットもあります。

次にクレジットカードで経費を払うときの重要な条件をご紹介します。
それはカード会社からの請求明細とお店でもらった領収書の両方を必ず保存しておくことです。

税務上の経費として認められるためには「いつ、誰に、何のために、
いくら支払ったのか」が分かる資料を手元に残しておく必要があります。

これは税法で義務付けられている条件なので、必ず守ってください。

もし税務調査のときに領収書が残っていなかった場合、
その分追加で税金が発生することになります。

実際の税務調査で「後から再発行できる」や「保存しておく義務を知らなかった」と
主張される経営者の方もいますが、【資料を保存しておくこと】と法律で定められている以上
残念ながら上記のような主張は認められません。

明らかに事業に関する支払いであるにも関わらず、
追加で税金を払わなくてはならないと調査で指摘されても、すぐに納得するのは難しいですよね。

いざというときに後悔しないために、請求明細と領収書を確実に残しておきましょう。

適切に処理さえしていれば、クレジットカードで経費を
支払っても税務調査で問題になることはありません。

・事業用のカードとプライベートなものを完全に分ける
・カード会社からの請求明細と、お店でもらった領収書の両方を保存しておく

クレジットカードで法人の経費を払うときは、上記の2点に注意しましょう。

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