領収書はいつまで保管したらいいの?
領収書はいつまで保管したらいいの?
~元税務調査官の視点で見た領収書の話~
皆さん、こんにちは。
私、先日当事務所の一員となりました福元と申します。
突然ですが私は、以前税務署で勤めており、法人の税務調査を担当していました。
今日は元税務調査官である筆者から、領収書を捨ててはいけない理由を紹介します。
毎日の経費の支払いを、エクセルなどを使って集計している方もいるかもしれませんね。
でも集計作業が終わっても、その領収書は捨てないでください!
なぜ?
もし税務調査を受けた場合、集計資料を作成するために使った領収書を、調査官から提示するよう求められる可能性があるから。
どういうこと?
調査官は、調査対象者が作成した資料ではなく、取引相手が作成した資料で取引の内容を確認し、調査を進めるからです。
第三者である相手方が作成した資料の方が、経費の支払いを裏付ける証拠能力が高いとみなすためですね。
!注意!
もし調査を受けるときに領収書を捨ててしまっていても、偽造はしないでください。
なぜ?
税金を免れるための「悪質な行為」とみなされ、追加で徴収される税金が多くなってしまうから。
通常、税務調査を受けた後に追加で税金を納めることになった場合は、本来納めるべき税金の金額に、過少申告加算税が上乗せされます。
この加算税の税率は10%です。
しかし「悪質な行為」を行っていたとみなされてしまうと、過少申告加算税の代わりに
重加算税が課されることになります。こちらの加算税の税率は35~45%です。
30万の税金を免れていた場合
通常(過少申告加算税10%を上乗せ)⇒330,000円を追加で納付する。
悪質な行為(重加算税35%を上乗せ)⇒405,000円を追加で納付する。
上記のような計算結果となり、領収書を偽造してしまったために75,000円も多く税金を納めることになります。
さらに取引金融機関に知られた場合、大きく評価を下げることにもなりかねません。
このように根拠資料は私たちが考えているより超重要なものになりますので、きちんと保管しておきましょうね!
最後に、法律で定められている資料の保存期間を以下に記載しておきます。
法人の場合
・会計帳簿および事業に関する重要書類・・・10年間
(総勘定元帳、仕訳帳、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動報告など)
・上記以外のもの・・・7年間
(預金通帳、借用証、見積書、発注書、納品書、請求書、領収書、仕入伝票など)
個人事業主(青色申告)の場合
・会計帳簿および事業に関する重要書類・・・7年間
(総勘定元帳、仕訳帳や各種補助など)
・決算に関して作成された書類・・・7年間
(貸借対照表、損益計算書、棚卸表等など)
・現金預金の取引等に関係する証憑書類・・・7年間
(預金通帳、借用証、領収書など)
※ただし前々年所得が300万円以下であれば保存期間は5年間です。
・取引に関して作成し、または受領した上記以外の書類・・・5年間
(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)